Quiet Place

感情を取り戻すためのリハビリ

ベルセルクの続きが一生読めなくなった

漫画「ベルセルク」の作者、三浦建太郎さんが5月6日に亡くなった。死因は急性大動脈解離とのこと。54歳だった。

ファンの間でよく、「生きてるうちに完結するのか」なんて言われていたので、その類のフェイクニュースかと一瞬思ったのだが、そうじゃないと知りとてもショックを受けた。

ベルセルクを初めて読んだのは10年ぐらい前だったと思う。
確か、クレイモア(漫画)にちょっと似てるなと思って手に取った気がする。あと、ベルセルクを読む前にヴァルキリープロファイルをやっていたので、主人公ガッツがアリューゼみたいだなと思ったのもよく覚えている。後々ベルセルクの方が先だと知った。

身体よりも大きな剣を振り回し、敵を豪快に倒す様はとてもかっこよく、漂う暗い雰囲気にすぐ物語に夢中になった。

ベルセルクの一番盛り上がるところはやはり、ガッツがグリフィスと出会ってから触に至るまでなんじゃないかと思う。後のイシドロやファルネーゼなどと出会って、魔法が出てくるところももちろん面白いのだけど、ベルセルクを名作にしているのは、このガッツとグリフィスの関係を描いた黄金時代編だと思う。

特に自分が好きなのは6巻の「貴きもの」という話。これはアマゾンのレビューにも書かれていたので、同じように思っている人も多いと思う。
グリフィスがお姫様に、自分の夢や仲間について語っているのをガッツが聞いてしまうシーンで、ここは本当に何度も読み返した。

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結構グロかったり、性的な表現が出てくる漫画ではあるので、人を選ぶかもしれない。ただ、とても緻密な画、重厚な物語、人間の業、欲、醜さ、弱さなど嫌な部分も描いており、心に残る漫画だと思う。

休載が多い上に、話がどんどん大きくなっていたので、いつ完結するのだろうとは自分自身思っていたけど、こんなことになってしまったのはとても悲しい。ツイッター等で他の人のコメントも見たが、作者自身が一番無念だったのではという意見は自分もそう思った。人生をかけて取り組んでいたことが、最後までできなかったのだから。突然死のようなので、それを感じる間もなかったのかもしれないけど。
どういう気持ちで漫画を描いていたのか本当のところは分からない。でも世界中の人に愛される漫画を描き、それを仕事にする人生はとても幸福だったのではないかと思う。

ただやっぱり、ベルセルクの結末が分からなくなってしまったのが本当に残念でならない。
なんとか続きの物語を世の中に出してもらえないだろうか。画を他の人が描いてしまうと、ベルセルクではなくなってしまうので、小説とか、アニメ映画とかでいいので。

 

ちなみに映画もあるのでこれもお勧めしたい。

これは3部作あるうちの1部で、なぜかYouTubeで見れるので是非見てみて欲しい。
6巻の貴きものの話もあって、この動画では1:05:06から。