Quiet Place

感情を取り戻すためのリハビリ

WAIS−Ⅲの知能検査の結果と不信感

知能検査を受けてから二週間が経って、結果を聞きに行ってきた。
結果はこんな感じになった。

f:id:dimdimlight:20201115214708j:plain

IQの数値も載せようと思っていたのだけど、こういうのはマウンティングの材料になったり、劣等感を抱かせるものになったりするかと思ったので、やめようと思う。
(後で書いているけど、IQでその人の全能力を測れるわけではないので、見下すのも落ち込むのも間違っていると思う)
見方を知っている人は上の図でなんとなく察してほしい。
結果を見て、中学の時にオール3をとったことを思い出したとだけ言っておく。

内容を説明すると、自分の場合、言語理解が一番高く、作動記憶が一番低かった。
言語理解は文字通り言葉の理解力や表現力、またこれまで勉強してきた知識などを測る。そして、作動記憶は耳で聞いた情報を一時記憶して処理する能力を測る。
他、知覚統合は目で見た情報の処理、推理能力などを測り、処理速度は目で見たものをいかに素早く、正確に処理できるかを測る。
それぞれの項目の下に書いてある、単語や類似というのは下位検査と呼ばれるもので、実際に検査した項目の名前になる。

自分が一番気になっていた発達障害かどうかは、臨床心理士さんから自閉症スペクトラムの特性があると言われた。一般的には言語理解等の4つが同じぐらいの数値になるのだが、自分の場合、言語理解と作動記憶に誤差以上の差があるということだった。

 

dimdimlight.hatenablog.com

 

過去記事にも書いたが、自分は仕事等で口頭で指示を受ける時に、指示が複雑・曖昧だと理解が難しい状態だった。また、考えをまとめて話すということも苦手で、内容が複雑であればあるほど言葉が出てこなくなる。どう話すかをまとめている途中で、どんどん消えていく感じだ。だから仕事の内容が複雑だと、聞きたいことがあった時にそれをどう聞くかで何十分も考えていたりする。作動記憶が低いというのは納得の結果だった。

ただネットで調べると、この差は15以上あると発達障害が疑われるということだったのだが、自分はそこまではなかった。それに外部で受けた検査であったため、まだ病院ではっきり診断されたわけではないので、とてもモヤモヤしている。発達障害はどのくらい困っているかというのが重要らしいので、なんとなく、はっきり診断はされないんじゃないかという気がしている。

 

それから、知能検査そのものにちょっと不信感を抱いた。
自分は知覚統合の積木のテストが一番できていた。ほとんど悩まないでできたし、ほぼ全問できた。だが結果的にそんなによくないのは、最後から2番目の問題でつまづき、時間がかかってしまったからとのことだった。
自分は状況の変化に弱いらしく、最後から2番目の問題でパターンが変わったことに動揺し、かなり時間がかかってしまった。ただ、問題としてはできていたので、時間で大幅に数値が下がっているというのがなんだか納得がいかない。
他の問題にしても、解答の速度も数値に反映されているようだったが、自分は気分の落ち込みがあったこともあって、早く解答しようという気持ちがそもそもなかった。

IQのテストというと、MENSAを思い浮かべる人もいると思う。IQ130以上の高IQの人のみ入れる団体で、入会テストで全人口の上位2%のスコアを出せば入会できるらしい。
この入会テストはなんなのかというと、今回の知能検査でいう知覚統合の行列の問題が出題される。これだけらしい。行列の問題がどういうものかというと、例えば3×3のマス目の中に図形が描かれていて、右下に入る図形はどれになるかという法則性を考えるものだ。
このことを知って、たったこれだけで高IQかどうかを測り、選民思想を助長させるような組織を作るのはどうなんだろうと思ってしまった。

 

karapaia.com

 

また、こんな動画も見つけた。

この方はハーバード大学の大学院生らしい。ロシア語のためはっきり全部はわからないけど、IQテストの歴史的背景から、IQテストがごく一部の能力しか測っていないこと、人それぞれ育ってきた環境、従事している仕事、開発してきた能力の違いがあり、また検査時の環境や体調にも左右され、これだけで知性を測れるものではないといったことを言っている。(と思う)

自分は最初検査結果がごく平凡で、ああ自分は大したことない人間なんだなと、正直発達障害かどうかということよりも落ち込んだ。現状、自己肯定感が地の底まで落ちていたので尚更だった。でも、上記に書いたようないろんなことを考えて、そんなことはないのだと思えた。

知能検査(IQテスト)は、知的障害や発達障害の傾向があるかどうかということ、検査した項目の中で得意不得意がなんなのかを知るという程度に考えていいんだと思う。
もし結果が悪かったとしても、全然落ち込む必要はない。
この検査で測れない能力なんてきっとたくさんある。